Research Focus Understanding the Development of Circulatory System
循環器とは血管・心臓全身にくまなく張り巡らされた体の中で最も大きな臓器といえます。血管の発生により臓器・組織への酸素・栄養の供給が確保され、生体では虚血による障害を防ぐために血管新生を誘導して組織を維持するように働きます。
心臓は、血液を拍出し血管を通して体の隅ずみまで必要な酸素・栄養を供給するために一時の休みもなく働き続けています。
病態が正常生理機能や構造の破綻と考えると、正常な細胞・臓器の機能の新生・再生には正常発生を理解することが重要です。 このために、生物学の理解に立脚した循環調節機構の解明を目指して生物・細胞のlive imagingを駆使した研究を行っています。
Biologyは様々なBiologyがありますが、やはり生きたままで何が生体内で起きているのかを探ることによりヒトを含めた生物の真実が明らかになると考えています。
ゼブラフィッシュの初期発生における心臓・血管形成機構を蛍光イメージングで明らかにしています。 心臓は両側の側板中胚葉に由来する心臓前駆細胞が正中に移動することで原始心筒を形成しますが、この際に内胚葉の重要性を見出しました。
また、成魚でも心臓再生が生じるゼブラフィッシュの心臓再生メカニズムを調べています。心筋細胞あるいは、心臓以外の組織から分泌され、心筋細胞増殖を誘導する分泌性蛋白質がないのか?調べています。特に、発生期の分裂心筋細胞から分泌される分子を同定して、この分子のゼブラフィッシュの心臓での作用、マウスでの心臓への作用の検討を開始しています。
〒564-8565 大阪府吹田市岸部新町6-1 国立循環器病研究センター研究所 研究棟60501号室 TEL:06-6170-1070 望月直樹 Naoki Mochizuki